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アーノルド・シュワルツェネッガーがシリーズ復帰を果たしたリブート作

“最初から強い”サラ・コナー、“知らない過去”に戸惑うカイル、そして“老いた”T-800――公開までその全貌は固く秘されていた新『ターミネーター』は過去シリーズと同じ起点から始まる、まったく別の未来の物語だった。

2029年、人類軍を率いるジョン・コナー(ジェイソン・クラーク)が機械軍スカイネットによって1984年に転送された殺人マシン(T-800＝アーノルド・シュワルツェネッガー)から若き母サラ(エミリア・クラーク)を守るため、右腕のカイル(ジェイ・コートニー)を送る、というお馴染みのエピソードで本作は始まる。だが、カイルの前に現れたサラは既に鍛え抜かれた戦士で、傍らには頼もしいボディガード(シュワルツェネッガー)がいた。そして物語は予測不可能なバトルへと発展していく。

パラレル・ワールド設定を生かし、人間社会破滅の時＝審判の日を置き直した物語は、シリーズの生みの親ジェームズ・キャメロンも賞賛。時間軸がリセットされていても、1984年に送り込まれたT-800の全裸でひざまずく例のポーズや、到着したグリフィス天文台で出くわすチンピラ3人組とその服装、そしてセリフの応酬まで完コピなのが、まずはオリジナルのファンとしてはウレシイところ。がその直後に別のT-800が現れてT-800同士の肉弾戦になる、つまりはシュワルツェネッガーがダブルで出てきて戦っているのだ。

ちなみに約30年前と同じ役を演じることになったシュワルツェネッガーは公開時に「T-800は人間の皮膚で機械のボディを包んでいるため、見た目は老けている」と、マシンの老化について説明。なるほど、と思わせる細部にわたってのつじつま合わせや、違和感ない過去の映像とのリンクに、人気シリーズが現代に甦った大いなる意義があるのだろう。