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『人狼ゲーム ビーストサイド』

土屋太鳳インタビュー

1930年代のヨーロッパ発祥のカード・ゲーム「人狼ゲーム」。生死をかけた同心理ゲームの世界観を基に描かれた『人狼ゲーム』(13)の続編『人狼ゲーム ビーストサイド』がまもなく公開される。不可解な状況下、ゲーム参加者10名がウソと本当を使い分けて生き残ろうとあがく様は、まるで現代社会に生きる私たちのよう。彼らはなぜここに集められたのか?そして誰が生き残るのか…?主人公・樺山由佳を演じた土屋太鳳に話を聞いた。

人狼ゲーム ビーストサイド

8月30日(土)発売

TV、スマホアプリ、小説など、今なお様々な形態でブームとなっている頭脳心理ゲームを題材に、究極の殺戮ゲームを強いられる男女の姿を描いた『人狼ゲーム』(13)の続編。恐ろしく理不尽な生死を懸けたゲームのてん末を、2度目のゲーム参加者、樺山由佳(土屋太鳳)=人狼の視点でリアルに描き出す。監督は前作に引き続き、『パーク アンド ラブホテル』(00)の熊坂出。

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由佳を演じるのは苦しいことでした

――『人狼ゲーム ビーストサイド』、とても面白かったです。

土屋「嬉しい!ありがとうございます」

――でも、土屋さん演じる樺山由佳はとても衝撃的な役柄でしたね。

土屋「ご覧になられた方には『由佳を見ていてムカついたよ』なんてよく言われます(笑)。ウソをついて、友達を殺してイヤな奴だなぁって。でも私、仲間を殺すシーンを撮影するたびに『ごめんね!』って言いながら臨んでいたんですよ」

――でも、物語が進むにつれ、由佳の存在に引き込まれていくという。

土屋「そう感じていただけてうれしい。由佳もとても悩み苦しんでいたんだと思います。私自身、由佳を演じることはとても辛く苦しくて、撮影中、何度も辞めたいとも思ったから」

――撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?

土屋「みなさんとても優しくて。『人狼~』の現場を支えてくれたスタッフの方々には感謝しています。キャストのみんなとも「人狼ゲーム」をやったりして楽しかったです。でも、順撮りで撮影したんですけど、クランクイン時はみんなでワイワイやっていたのに、撮影が進むにつれて私が一人ひとり殺していくもんだから、終盤には共演者が少なくなって…。『みんなのことが大好きなのに、なんで殺さなきゃいけないの?』って悲しくなりました」

――「人狼ゲーム」はご存知でしたか?

土屋「撮影に入るまで全くやったことなかったんです。私と森川葵ちゃん(宗像美海役)が一番詳しくなきゃいけない役どころなのに『用心棒?』『共有者?』って感じで。何度やっても理解できなくて。撮影が終わる頃になって、ようやく理解できました」

――実際のゲームをやってみた感想は?

土屋「私、顔に出やすいのかすぐにバレちゃうみたいで、みんなから『はい、わかった!太鳳が人狼だ』って。自然と顔がにやけていたみたいです(笑)」

「人狼ゲーム」は日常生活にあることが凝縮された世界

――キャリア初の殺人鬼役ですね。由佳は土屋さんの目にどのように映りましたか?

土屋「撮影前は全く感情を表さず、人の目を見ず、耳辺りを見ながらぼそぼそと話すような、どこか取っ付きにくい子かなと思っていました。でも実は、とても感情豊かな普通の女の子で。ただただ生きている実感を味わいたいともがいているんだなぁって。だからこそ、『人狼~』でああいう風にならざるを得なかったのかなと。そんな由佳としてどう生きるかがとても難しかったです」

――撮影にあたって、熊坂出監督からの要望はありましたか?

土屋「『さらけ出す』『剥き出す』『自由』の3つを演技の土台として与えられました。でも、いざやろうとしても『さらけ出す』『剥き出す』って簡単なことではなかった。自分の何かを、例えば魂を削っていかなければできないことなんですよね。『じゃあ、死ねよ!』なんて由佳のセリフ、耳や髪の毛を引っ張って取っ組み合う場面では、撮影中に『なんでこんなことをしなければ』と怒りがこみ上げてきて、とても苦しかったです」

――「さらけ出す」といえば、劇中で美声(歌)を披露していました。

土屋「びっくりしますよね(笑)。実をいうと、歌詞は私が考えたんです。『全裸は私の制服』っていうタイトルもちゃんとあるんですよ!台本を読んで、自分が感じたことをそのまま書いて、監督と2時間ほどかけて仕上げました。劇中であんなに使われると思っていなかったし、最終的にはその歌詞が作品にとってとても大事なものになっていた。『剥き出したいなら剥き出しちゃえよ!いちいち宣言することじゃない…』。どう伝わるか心配だけど、何かを感じてもらえればうれしいです」

――疑心暗鬼に陥った仲間が感情をぶつけ合う場面も印象的ですね。

土屋「その辺はアドリブでの演技も多かったんです。自由に、感情の赴くままに。いったい、どこまで突き進んでいくんだろうって思いました。カットされたシーンもあるけど、各場面でそれぞれが全力を出しきり、感情を剥き出しにして正面から真剣にぶつかりあっています。『人狼~』は出演したみんなが主役の作品。そんな彼らの気迫ある演技、意思も見てほしいです」

――『人狼~』の世界は、妙にリアリティがあるように感じました。

土屋「そうですね。『人狼~』は極端な設定にも見えますが、実は私たちの日常生活にあることが凝縮された世界じゃないかと思うんです。一方的に集められて、何者かに指示されて、状況理解の有無に関係なく殺戮ゲームを強いられる。その中で自己を失っていく者、何かを見出す者が現われて…。それって、私たちの日常、例えば学校や会社でも起こりうることなんじゃないかと。自分の居場所をしっかり手に入れられればいいけど、逆の場合、環境によって自身が壊されてしまうっていう」

――では最後に、これから劇場で見る方へ一言お願いします。

土屋「人の心や体のバランスが崩れていく様を、ただ興味本位とか自己満足で表現する仕事はしたくないなというか、あまり得意ではありませんでした。『人狼~』が刺激物的なエンターテイメント作品という捉え方だけでなく、本当の自分とは、生きている実感などを見ている方々にあらためて考えるきっかけとなってくれたら嬉しいですね」


土屋太鳳(つちや たお)

土屋太鳳(つちや たお)

●プロフィール●1995年東京都出身。'05年「スーパー・ヒロイン・オーディション ミス・フェニックス」審査員特別賞を受賞。黒沢清監督作『トウキョウソナタ』(08)で映画デビューを果たす。映画化もされたドラマ「鈴木先生」(11)で注目され、'13年には『アルカナ』と『赤々煉恋』で共に主演を務めた。現在公開中の『るろうに剣心 京都大火編 伝説の最期編』(14)に出演。平成27年度前期連続テレビ小説「まれ」ではヒロインに抜てきされた。

(C)2014「人狼ゲーム BEAST SIDE」製作委員会

撮影/栗栖誠紀

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