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レッド・デッド・リデンプション2

Story

1899年のアメリカ。開拓時代が終焉を迎え、新しい法と秩序の時代が目前に迫っている時代。無法者集団ダッチギャングの一味は、ブラック・ウォーターと呼ばれる西部の街で大掛かりな強盗計画に失敗し、お尋ね者となり逃亡生活を余儀なくされていた。主人公アーサー・モーガンは、ダッチギャングのボス、ダッチ・ファン・デル・リンデに幼い頃に拾われて育った生粋のアウトローであり、苦境に立たされた仲間たちを救うために奮闘するが、ライバルのギャングとの抗争を繰り返す中で、仲間たちは次第に疲弊し、追い詰められる。アーサーはファミリーを救うべきか、それとも自ら理想とする生き方を取るべきか、大きな岐路に立たされるのだった……。

映画ファンだからこそ楽しめる!

「レッド・デッド・リデンプション2」の激アツポイント

【POINT】カスタマイズ自在 思い描いた主人公になれる

「レッド・デッド・リデンプション2」プレイ場面写真

主人公アーサーの容姿と服装は、プレイヤーの好みによって自由に変更可能。服は町の商店で購入でき、帽子からブーツまで膨大な量が用意されている。髪型やヒゲは散髪したら、また伸びるまで変更できないリアルさだ!

【POINT】自然・天候・人物 すべてがリアルな世界

「レッド・デッド・リデンプション2」プレイ場面写真

ゲームの中のワールドは広大かつ緻密。雪深き山岳地帯から乾燥した砂漠、湿地帯など様々で、寂れた田舎町から電気が通った大都市までも登場。森林地帯には多くの野生動物が生息し、狩猟や釣りを楽しむこともできる。

【POINT】最新AIにより実現した 変化する人間ドラマ

「レッド・デッド・リデンプション2」プレイ場面写真

アーサーは他の仲間たちと共に行動することが可能で、攻撃スタイルを細かく指示できる。また往来する全ての人々とも交流が可能で、悩み事の相談やトラブルの収束、借金の取り立てなど様々な頼みごとをされることもある。

世界最高峰のオープンワールド西部劇アクション『レッド・デッド・リデンプション2』ガンマンの誇りと無頼の美学

10年にリリースされたオープンワールド・スタイルの西部劇アクションゲーム『レッド・デッド・リデンプション』の続編が、8年ぶりにその沈黙を破った。
本日、10月26日に世界同時発売となった『レッド・デッド・リデンプション2』(以下、『RDR2』)は、現時点における最新のテクノロジーと、開発元であるロックスター・ゲームスの技術とセンスの全てが注ぎ込まれた、世界が注目する超大作である。

ちなみに「オープンワールド」と聞いても、馴染みの無い方もいるかもしれないので補足しておくと、ゲームの中に構築された広大なマップ(箱庭)のフィールドを自由に行き来できる「もう1つの世界」を指し、その元祖ともいえる作品が同じロックスター・ゲームスが送り出した『グランド・セフト・オート』(以下、『GTA』)シリーズだ。現代アメリカを舞台にギャング抗争に巻き込まれて、その頂点を極めようとするアウトローたちの物語だが、そこで培ったセンスや技術を西部劇の世界に持ち込み、単なる『GTA』のウエスタン・バージョンというものではなく、「百年前のアメリカ」を細部まで緻密に再現し、その世界の中で実際にガンマンの生き様を追体験できるのが『RDR』というゲームが目指した境地なのだ。

『RDR2』に登場するフィールドは実に多種多様であり、そのスケールは前作を大きく凌駕しておる。雪深き山間部から荒涼とした砂漠地帯、泥にまみれて寂れた町から交易で潤う中規模な市街地に電気の通った都会まで、1800年代末期のアメリカが入念なリサーチによって驚異的なまでのディティールで再現されている。鬱蒼とした湿地帯には獰猛なワニが身を潜め、仲間のために狩猟に出かけて森林で鹿を追いこんでいたら巨大熊に遭遇して命がけで逃げるなど、自然環境の構築や、そこに生きる動物たちの生態も驚異的なレベルで再現されており、小動物から危険な獣、捕らえ調教できる野生馬まで実に多彩な動物たちが登場するのも、本作で注目のポイントといえる。さらに時間によって変化する天候や風景は、プレイヤーがカメラアングルを操作してシネマスコープのような画面で映画のような視点から楽しむことも可能となっており、ただ風景を見ているだけでゲームプレイの時間が過ぎてしまうのは間違いない。

また、数々の歴史的な西部劇映画の名シーンを彷彿させる場面、場所、シチュエーションも多く、ゲームファンだけでなく映画ファンにも訴求力の高い作品であることも重要だ。例えばゲームには、雪中の逃避行を巡る場面が登場するが、これはまさにタランティーノの『ヘイトフル・エイト』(15)を連想させるし、そこでの激しい銃撃戦はマカロニ・ウエスタンの古典にして異色作『殺しが静かにやって来る』(68)の場面が再現されたかのような迫力だ。
前作がリリースされた8年前に、筆者がロックスター・ゲームスのクリエィティブ部門を統括するダン・ハウザー氏にインタビューした際に、ダン氏は西部劇に大きな影響を与えた黒澤明の映画作品について言及していたのが、非常に印象的だった。『用心棒』(61)が『荒野の用心棒』(64)として、『七人の侍』(54)が『荒野の七人』(60)としてリメイクされたのは有名だが、その影響はゲームにも及んでいたのだ。『RDR2』のシナリオはそれだけ濃く深く作り込まれている。ゲームをプレイする際にはシナリオにも是非注目してほしい。

また、登場する銃器やファッションにも注目だ。銃は連続で使用すると劣化するため、こまめに手入れしたり、カスタムパーツを購入して自分だけの銃にデザインできたりする。また、服装は下着からベスト、ジーンズからレザーパンツ、ジャケットも寒冷地用コート(寒い場所に薄着で出向くと体力に影響がある)からオシャレなスーツ、ワイルドな革ジャンなどなど、プレイヤーはアーサーの着せ替えを自由に楽しめるので、好みの主人公を作りあげられる。髪型やヒゲも調整できるが、一度散髪するとまた伸びるまで再調整できないというリアルさ! そのディティールには驚くばかりだ。

何もかもが自由に過ごせる『RDR2』の世界では、賞金稼ぎ、借金取り立て、美人局、強盗、空き巣、恐喝など、あらゆる合法から非合法まで含め膨大な仕事を請け負うことができる。ギャングの仲間たちと酒場で親交を深めて、大掛かりな銀行強盗もやってのけられるし、何もしないで町でブラブラしていてもいい。ソロキャンプの旅に出て伝説の手負い熊を追いかけるのもアリだろう。
素晴らしい冒険の旅と運命を握るのは、プレイヤー自身である。この素晴らしきゲームの世界において、西部の男の意地と誇りを体感してほしいと願う次第である。

(文/植地 毅)
『ヘイトフル・エイト』場面写真

『ヘイトフル・エイト』(2015年)

クエンティン・タランティーノ監督通算8作目となる雪中西部劇。猛吹雪の山荘に閉じ込められた8人の隠し持った秘密を巡るサスペンスとなっており、護送中の極悪ギャングの女リーダーを巡り、それぞれの立場を巡って攻防が繰り広げられる。小道具のディティールや時代考証など、細部まで作り込まれた監督のこだわりにも注目だ。(作品情報はこちら

写真:Everett Collection/アフロ
『殺しが静かにやって来る』場面写真

『殺しが静かにやって来る』(1968年)

こちらも雪中西部劇の傑作にして異色作。悪党によって喉を切り裂かれ、声を出せなくなった主人公のガンマンが、悪虐の限りを尽くす賞金稼ぎ集団と対決する復讐の物語。しかし、凄まじい暴力描写と救いのないラストシーンに公開当時は上映禁止が続出。徹底したリアリズムは現在では再評価され、多くの映画人に影響を与えた。(作品情報はこちら

写真:Collection Christophel/アフロ
『荒野の用心棒』場面写真

『荒野の用心棒』(1964年)

マカロニ・ウエスタンというジャンルを確立させた記念碑的作品にして巨匠セルジオ・レオーネ監督ならびに俳優クリント・イーストウッドの出世作としても名高い。黒澤明作品『用心棒』(61)を西部劇にアレンジし、同時代のハリウッドでは規制のために作れなかったリアルで残酷な殺しの描写が、世界に衝撃を与えた。必見である!(作品情報はこちら

写真:Everett Collection/アフロ

『夕陽のガンマン』場面写真

『夕陽のガンマン』(1966年)

『荒野の用心棒』のヒットにより日本では続編として公開されたが全くの別物。さすらいのガンマン、ジャンゴ(フランコ・ネロ)が復讐のために泥だらけのゴーストタウンで血の抗争を繰り広げる物語。棺桶に収納した秘密兵器で敵を皆殺しにする場面は痛快の一言。Q・タランティーノの『ジャンゴ 繋がれざる者』の元ネタでもある。(作品情報はこちら

写真:Moviestore Collection/AFLO
『続・荒野の用心棒』場面写真

『続・荒野の用心棒』(1966年)

『荒野の用心棒』の大ヒットにより製作されたレオーネ&イーストウッドのコンビ第2作。エルパソを舞台に賞金稼ぎと逃亡者の攻防と葛藤を描いた物語で、音楽も『荒野の用心棒』に続きエンニオ・モリコーネが登板。マカロニ・ウエスタンの金字塔として現在まで多くのファンに支持されており、日本ではパチンコ台まで登場した。(作品情報はこちら

写真:Everett Collection/アフロ
『マグニフィセント・セブン』場面写真

『マグニフィセント・セブン』(2016年)

黒澤明監督作品『七人の侍』を西部劇にアレンジした『荒野の七人』(60)を最新のキャストでリメイクした作品。デンゼル・ワシントン、イーサン・ホーク、イ・ビョンホンなど東西の多彩なキャスティングが話題を呼んだ。7人の賞金稼ぎが野党に脅迫された村を救う物語はオリジナルと同じ。マカロニがハリウッドに凱旋した格好だ。(作品情報はこちら

写真:Everett Collection/アフロ
『ジャンゴ  繋がれざる者』場面写真

『ジャンゴ  繋がれざる者』(2012年)

Q・タランティーノ7本目の監督作品にして初の西部劇。ジェイミー・フォックス演じる逃亡奴隷ジャンゴと、彼を救ったドイツ人医師の賞金稼ぎとの友情と復讐を描く物語。レオナルド・ディカプリオが悪役としていい演技を魅せるほか、オリジナル・ジャンゴ のフランコ・ネロも特別出演。タランティーノ作品最大のヒット作でもある。(作品情報はこちら

写真:PictureLux/アフロ
『クィック&デッド』場面写真

『クィック&デッド』(1995年)

『死霊のはらわた』(81)で衝撃デビューを果たしたサム・ライミ監督による現時点で唯一の西部劇。シャロン・ストーン演じる女ガンマンの復讐劇で、ラッセル・クロウ、ジーン・ハックマンら名優が脇を固め、レオナルド・ディカプリオも出演している。特筆すべきは舞台となる町の名前が「リデンプション」! 果たしてこれは偶然か?(作品情報はこちら

写真:AFLO
『ケオマ・ザ・リベンジャー』場面写真

『ケオマ・ザ・リベンジャー』(1976年)

フランコ・ネロ主演による、砂嵐にまみれ疫病の蔓延する町に現れた先住民との混血ガンマン、ケオマが町を支配する悪の三兄弟と対決する物語。悲壮感漂う主題歌と、その雰囲気は異色かつ独特。ケオマの持つ銃がソードオフ・ショットガンだったり、悪との対決構図などが後の『マッドマックス』(79)に影響を与えたという説もある。

写真:Collection Christophel/アフロ
『レッド・サン』場面写真

『レッド・サン』(1971年)

三船敏郎、チャールズ・ブロンソン、アラン・ドロンの三大俳優が共演した異色中の異色西部劇。日米親善大使の侍・黒田重兵衛が大統領に献上するはずだった刀をギャングに奪われ、同じくギャングに裏切られたガンマンのゴーシュ(ブロンソン)と復讐の旅に出る。本物の『用心棒』が西部劇に帰還したという意味で重要な作品だ。(作品情報はこちら

写真:Everett Collection/アフロ
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