9人が示す東京ドームへの決意表明――セトリでひも解く「EVE」と『超特急 The Movie RE:VE』で映される4つの「RE」

コラム

9人が示す東京ドームへの決意表明――セトリでひも解く「EVE」と『超特急 The Movie RE:VE』で映される4つの「RE」

「EVE」の表と裏、両方を楽しむ『RE:VE』

さて、ここまで「EVE」を振り返ってきたが、映画『超特急 The Movie RE:VE』では、ライブが生まれるまでの過程が映しだされる。すでに終了したツアーではあるが、『RE:VE』で初出しされるインタビューやバックステージに関するネタバレも含むので注意してほしい。

1着目では、グレーを基調としたボリューム感のある衣装を着用
1着目では、グレーを基調としたボリューム感のある衣装を着用[c]2025, 株式会社SDR & CJ 4DPLEX Japan

本作は冒頭、「Feel the light」をBGMにして始まる。エネルギッシュな印象の彼らに迫るドキュメンタリーにしては意外なセレクトだ。しかし、「Feel the light」は暗中模索からわずかに見えた光に触れようともがく様子が描かれる楽曲で、その“光”を「2桁号車(2022年加入の新メンバー)」や「見えてきた“終点”」に重ねていると受け取ることもできるだろう。

『RE:VE』は、「EVE」のテーマや大枠のステージ構成について語られる「RE-BIRTH」、カイによる衣装へのこだわりや2桁号車ならではの苦労などが語られる「RE-STAGE」、2022年の新メンバーオーディション「超特急募」や「EVE」に乗車した8号車のインタビューを映す「RE-US」、そして、ユーキが“夢”について話す「RE-EVE」の4章立てで綴られる。やや踏み込んだこともしっかりと映しだしており、例えば「ikki!!!!!i!!」の数字に合わせて順に手を挙げていく振りの調整を行うなかで、ただ空白を埋めるだけにしないためにはなにが最適なのかを語り合う様子や、「POLICEMEN」や「Bloody Night」など独自のコンセプトで知名度が上がり始めた時期に感じたこと、アロハが超特急募に懸けた情熱、タカシがシューヤを見て最初に感じたことと彼を選んだ理由など、いまの超特急を形作る過程でそれぞれが抱いていた想いが明らかにされていく。

そんな、本作のために9人が語った気持ちやバックステージでの様子が映しだされるのはもちろんのこと、選りすぐりの楽曲の数々はいずれもライブと同様の尺で届けられる。ドキュメンタリーとライブパフォーマンスという、アーティストとしての表と裏を2時間弱で一度に味わうことができるので、初乗車にもうってつけ。超特急に興味を持っている知り合いと一緒に観に行くのもおすすめしたい。

どの時代も最高の輝きを見せる彼らの、“いま”のきらめきを見届けよ!

これまで、単独ライブでは3回さいたまスーパーアリーナに立っている超特急だが、スタジアムモードは初
これまで、単独ライブでは3回さいたまスーパーアリーナに立っている超特急だが、スタジアムモードは初[c]2025, 株式会社SDR & CJ 4DPLEX Japan

長年、夢の一つとして語り続けた「ミュージックステーション」への出演をついに叶え、着実に前へ前へと進み続ける超特急。“終点”として声に出し続けた東京ドームも、いよいよ“見果てぬ場所”ではなく、“あと少しで手が届く場所”になってきている。彼らの14年間は決して順風満帆ではなかったが、「EVE」でユーキが涙ながらに語った「1回も夢を諦めたことはありません。諦めなかったら、叶うんです」の言葉通り、泥臭く、誠実に、光も影も知る者たちだけが持つ煌めきと8号車への無限の愛を武器に、速度を緩めることなく走り続けてきた。

きっと、彼らはそう遠くないうちに終点に到着するだろう。ここから先はもう、誰も見たことがない超特急の姿だ。彼らが夢を叶えるまでを同じ時間を共有しながら見られるのはいましかない。彼らが見続けた夢を掴み取るまでの軌跡のうちの一つを、ぜひ劇場で味わってみてはいかがだろうか。


文/佐藤来海

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